モルダビアンワインの伝統的な銘柄が名産品として評価を得ている

モルドバ共和国の経済状況は低迷下にあると言えます。旧ソ連時代には産業として重工業も栄えましたが、その工業地帯が分離独立によりモルドバは生産拠点を失うことになりました。

外貨収入源としては主にワインの輸出が盛んであり、モルダビアンワインの伝統的な銘柄が名産品として評価を得ています。

2000年代後半にロシアは当国への経済封鎖の一環としてワインの輸入禁止令を打ち出しました。

その結果モルドビアンワインは輸出先を他国に求め模索することになり、今では日本や欧米諸国に出荷されるに到っています。

1人当たりGDPは2,000ドル強で、世界平均の2割程度しかなくASEAN諸国と比較してもマレーシアやタイはおろか、フィリピンやインドネシアなどの貧国にも及ばずヨーロッパ圏の最貧国といえる経済状況です。

経済低迷の大きな要因には国内紛争が挙げられます。 1990年に勃発した内戦は未だ終結に到っておらず、国内経済に暗い影を落します。

今一つの要因には、領土内に天然資源が乏しく、石油やガスなどのエネルギーや工業資源である鉄鋼や金属などを海外からの輸入に依存していることが挙げられます。

輸入による貿易赤字に加えて、財政状況が悪化したモルドバに対し、相手国から支払滞納を理由に過去何度か供給停止の措置がとられています。そうしたこともあって産業も不安定で、結果資金不足に陥るといった悪循環の経験を経てきました。

またロシアの対外政策も大きく影響しています。モルドバはエネルギー供給の多くをロシアに頼っていますが、ロシアは近年の政策変更で対旧ソ連諸国へのエネルギー輸出に適用されていた優遇措置を撤廃する方向へ舵を切っています。

これまで比較的安価な石油や天然ガスを供給して貰えていた当国にとって、このロシアの動きは不安定な経済状況を更に悪化させる原因となっています。

その上当国経済は市場としても、労働力の出稼ぎ先としてもロシアに依存する割合が多く、近年のロシア国内の経済低迷がそのまま自国経済の悪化に結びついてしまうといった現実があります。

ロシア国内経済がハイパーインフレーションに晒されたり、財政危機に直面したり、金融危機によってロシア国内の経済が後退したりとロシア経済の悪化によってモルドバ経済も大きなダメージを受けてしまうことになります。

このように経済的な混迷を極める当国への援助国は1位がアメリカで続いてドイツ、オランダ、日本の順となっています。